2025年12月1日の夜、マイナポータルとマイナ保険証アプリで大規模なログイン障害が発生しました。「予期せぬエラー(503)」などが表示され、何度試してもログイン画面に戻される状況が続きました。
特に問題だったのは、復旧見込みが公式に明示されなかったこと。原因はアクセス集中や高負荷と見られていますが、ユーザー側からすると「いつ使えるようになるのか分からない」状態が続き、不安や不満の声が広がりました。
マイナ保険証切り替え時期に発生した不具合の影響とは
今回の障害が大きな混乱を呼んだ背景には、健康保険証の切り替え時期と完全に重なったことがあります。2025年12月1日に従来の保険証が終了し、12月2日からはマイナ保険証または資格確認書が必要になりました。
つまり「切り替わったその日にマイナポータルが使えない」という非常に悪いタイミング。医療機関の現場でも、資格確認ができないユーザーが増え、混乱が起きたという声もありました。
SNSで広がる「マイナポータル使えない」問題と利用者の声
X(旧Twitter)では、
- #マイナポータル不具合
- #メンテナンス中
- #マイナ保険証
などのハッシュタグで一気に話題化。「マジで使えない」「整備してからやれ」といった強めの投稿も多く、利用者のストレスがそのまま反映された形になりました。
特に多かったのは、
「紙の資格確認書の意味がよく分からないまま移行日を迎えて混乱した」
という声。通知書の役割や持ち歩く必要性が、十分に周知されていたとは言えません。
マイナポータル障害が示した運用・告知の課題とは
今回の件で浮き彫りになった課題は大きく3つあります。
- アクセス集中に耐えられないサーバー構成
- 障害発生時の告知が曖昧で、復旧目安が分からない
- 紙の「資格確認書」など代替手段の周知不足
特に「時間をおいて再アクセスしてください」の一点張りでは、利用者は行動できません。「今できる代替策」を丁寧に伝える必要がありました。
マイナポータルにログインできないときの対処法・確認ポイント
もし再び同じような障害が起きた場合、ユーザー側でできる対処は次の通りです。
① 一度アプリ・ブラウザを完全終了する
バックグラウンドのまま続けると、古いセッションが残ってログインできないことがあります。
② 時間を置いてアクセス(推奨:30〜60分)
アクセス集中の場合は、数十分で負荷が落ちるケースがあります。
③ 別の端末・ブラウザでアクセス
スマホ → PC
Safari → Chrome
など、環境を変えると通るケースがあります。
④ マイナポータル公式の「稼働状況ページ」を確認
障害情報が出ている場合は、復旧予定や原因が掲載されます。
⑤ 「紙の資格確認書」があれば医療機関では受診可能
実はこれが最重要。
マイナ保険証が使えなくても、資格確認書があれば保険診療は受けられます。
再発時に焦らないためにも、封筒のまま放置せず、財布などに入れておくのが安心です。
マイナ保険証トラブル時に利用者が今できる備えと注意点
今回の混乱を踏まえ、日常的にしておくと安心なポイントをまとめます。
① 資格確認書を財布に入れて持ち歩く
「家に置きっぱなし」が一番NG。スマホのマイナ保険証が使えない時の唯一の保険です。
② マイナポータルのログイン方法を一度整理しておく
・マイナンバーカード方式
・スマホの生体認証方式(対応機種)
など、自分の使い方を確認しておくと焦らず済みます。
③ 医療機関での「10割負担回避」の方法を知っておく
資格確認書 or マイナ保険証(スマホ・カード)のどれかが使えればOK。
最悪、後日返金対応が可能な医療機関もあります。
④ 障害時は無理に何度もログインしない
アクセス集中を悪化させるだけで、解決にはつながりません。
おわりに:デジタル行政を安心して使うために
マイナポータルやマイナ保険証は本来便利な仕組みですが、今回のようなタイミングの悪い障害があると、「デジタルの不信感」がどうしても高まってしまいます。
ただ、システム側にも改善が必要な一方で、私たち利用者ができる備えをしておくことで、こうした混乱を少しでも減らすことはできます。
・資格確認書の携帯
・適切なログイン手順の確認
・障害情報のチェック
この3つだけでも、いざというときの不安は大きく減ります。
デジタル行政がより安心して使えるよう、今後の改善に期待しつつ、利用者としてできる準備も進めておくのが良さそうです。
